チョコレートじゃなくて


時計を見ると、いつもと同じ時間。
今日は遅くなると思っていた。




バレンタインだよ?

部活の後にあっちゃんが、さとブーに告白するって言っていたのに。


タンタンタンと階段を上がってくる音。




「よっ!」


ノックもなしに、私の部屋に入ってくる。

制服のブレザーとネクタイをベッドに投げて、いつもの位置にどっかり座った。


「お前、俺のマンガどこやった?」


「ベッドの下だよ。」


さとブーがベッドの下に手をやって、あったあったと読みかけのマンガを引っ張りだした。

ベッドによりかかって座り、マンガをめくる。


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