チョコレートじゃなくて
「…だから、言ったでしょ?こんなの先輩にあげたって喜ばない。これは、さとブーにあげるために買ったんだよ。」
さとブーの読んでるマンガの続き。
…16巻。
「そうだな。いきなり、16巻をもらっても嬉しくないな。俺は、めちゃくちゃ嬉しいけど。」
さとブーはニコッと笑う。
マンガをペラペラめくって、嬉しそうだ。
「私もバレンタインなのに、チョコじゃなくて、ごめん。」
「いいよ、最高に嬉しい。
…なあ、お前は、日本式のバレンタインしてくれないの?」
「日本式って?」
あっ…!!
さとブーが、真剣な表情で私をじっと見ている。