チョコレートじゃなくて
いつもの光景。
お母さんが「ご飯ができた」と呼ぶまでの短い時間を、さとブーは私の部屋で過ごす。
今日は、いつも通りなのが、逆に気持ち悪い。
普段と変わらない さとブー。
だけど…告白されたんだよね?
普通過ぎればすぎるほど、気になってしまう。
あっちゃんのこと、どうだった?
「ねえ、さとブー…。」
「んー?」
マンガに視線を落としながら、返事をする。
「バレンタイン、どうだった?」
「別に、普通。」
「もらえなかったの?」
「…いや、あるけど。」