チョコレートじゃなくて



さとブーが顔をあげて、手繰り寄せた学校のバックを、私に向かってポンと投げた。

私の手の中に、ボスッと収まる さとブーのバック。


「そん中に入ってる。」


「え?あ、そんなつもりじゃ…。」


「お前知ってんだろ?俺、チョコ食わねーの。だから、お前にやるよ。開けて全部持ってけ。」



全部って?

去年までは、義理で渡した私のと、うちのお母さんのやつしかなかったじゃん?


…今年は、あっちゃんの一個だけじゃないの?


恐る恐るあけてみる。

えっ?
なに…これ?

カバンには、たくさんの箱や袋が所狭しと入っていた。

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