シークレットプリンセス〜山下龍牙編〜
「指に
龍のタトゥーがあったので。」
七海さんは
指を見る。
「どうして…。
私を誘拐したのですか?」
私は
七海さんに聞く。
こういう時って
きっと時間を稼ぐのが一番だよね。
「龍牙に
組織に入ってほしいからだ。
あいつの力は絶大だ。
変装の技術。
頭のキレ。
全てにおいて完璧だ。
俺に似て。」
ニヤリと笑う七海さん。
「俺が捨てなければ
あいつは俺のオモチャだったのに。」
「え…?」
その時。
ガシャーン!とガラスが割れる音がする。
そして
扉が開く。
「下は手下が多いから
下がダメなら
上から来たか。」