トライアングル
「先程はすみませんでした。

私は、浪瀬つぐみと言います。

よろしくお願いしますね。」


「………」


「私の顔、覚えてくれたんですね。

感激です!

だって、昨日まで全く、こっちも

見てくれなかったんですもん」



勝手にしゃべるこの女を、オレは

フルシカト、し続けた。



「もう、クールなんですね、直は。」


は?何こいつ、勝手に…。



「許可してねぇーのに、名前で呼ぶな」



オレが、初めて口を開くと

浪瀬は、にやっと笑った。




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