トライアングル
教室に戻ると、浪瀬がにこっと

笑いかけてきた。



「おかえりなさい。直!」


「………」


「直って、シカトスキですね」


「話したくないって、気付けよ」


「キャーーーカッコいいーーー」


「はぁ…」




オレは、何回溜め息をついたか

わからない。



それに、浪瀬もバカなのか?

計算なのか?



授業中も、ひたすら小声で

話しかけてきた。





休み時間。



友達の斗真がトイレで話掛けてきた。



「お前の隣の女…しつこいな」


「マジ、うざってぇー」


「でもあいつ…大人しそうな顔して

狙った男は、自分のもんにするらしーぞ」


「何それ」


「噂だけどな…」


「へぇー」



オレは、何とか昼休みまで乗り切った。







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