トライアングル
オレが着替えて、体育館に向かうと

すでに体育は始まっていて

担任に、遅刻の罰として

グラウンド5週と言われた。




グラウンドに行くと、浪瀬が走っていた。



「あっ!直も罰ですか?」


「あぁ」



オレは、浪瀬を無視して走っていくと

浪瀬は、オレの横に並んできた。



「マジ、うぜーからお前」


「わかってますよ…でも私も

引きませんから。

直が、私のこと見てくれるまで…」


「それは、一生ねぇから」

 
「ふふっ」


「何だよ」


「うれしいんです。どんな言葉でも

直が、私と話してくれるから」


「名前で呼ぶなって、言ってんだろ」


「直が、振り向いてくれたら止めます」


「何だそれ」


「あっ!笑ったー。うれしーい!!!」


「は?笑ってねーよ」


「絶対、笑いましたってー」


「あれ?もう5週終わってねぇーか?」


「あっ!そーですね。戻りましょ」


「何、腕組んでんだよ。離れろ」


「はいはい。すみませんね」




オレは、浪瀬と体育館に戻った。



それを、鈴が教室から見ていたなんて

知らなかった…。



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