トライアングル
固まる直は、気まずそうに私を見た。


そんな直を無視して、私は自分の

下駄箱に歩いて行った。



「鈴!勘違いすんなよ」



後ろから腕を掴まれて、直はそう言った。



「何が?」



自分でも、冷たい声になったのが

わかった。



「たまたま、そんな会話しただけだけ。

オレ、断ったし。」


「昼休みに、あんなに愚痴ってたのに

随分と仲良くなったんだね。

今日は、1人で帰る」


「鈴、待てよ!」


「触らないで!一緒に帰りたくない」



直に、掴まれた腕を振り払って

走って学校を出た。





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