トライアングル
きっと理由があるんだろう…。

わかってるのに、聞くことも出来ず

浪瀬に腕を引かれて、鈴の元を離れた。



気がついたら、お化け屋敷の入り口に

いた。



「直ーペアになりましょーう?」


「あぁ」



浪瀬に腕を組まれて中に入った。



「鈴さん、ヒドいですね。

直がいるのに、他の男の人にあんなに

抱き付いているなんて…」


「………」


「分かりますよ。辛いですよね。」


「…………」



オレは無心だった。

浪瀬の言葉なんて、ほとんど耳に入って

いなかった…。




オレも浪瀬も、脅かされても

怖がりもしなかったから

あっという間に、出口に着いていた。




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