トライアングル
「直…怒んないで…」


直の頬を、そーっと触った。


直の顔が、ピクッと引きつったのが

分かった。



「お父さんに言ってくれたの

すごい感動したよ」


「なら、良かった」




お母さんたち2列目もかなり

ハイテンションにしゃべっていて

私と直の話は聞こえてないみたい。



「オレ、兄貴に妬かなくなれんのかな?」


直は、私の耳元でしゃべり始めた。


「うーん…すぐにはムリでも

いつか、大丈夫な日がくるよ!」


「はぁ。早くそーなりてぇ。

鈴のこと信用してねぇー訳じゃねーから

な」


「分かってるよ」






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