トライアングル
「これにて、花火を終了します。」




放送が聞こえてきて、次々と周りにいた人たち

は帰って行く中、直は力強く私を抱き締めた

まま…



動かない…




「なーお?帰らないの?」


「まだこのまま…いたい」


「うん…わかった」






あっという間に私たちだけになっていた。




直の腕の力が緩んで、腰をひょいっと

掴まれて、身体が浮いたと思ったら

直の膝の上に座った。





「今日の鈴…ちょー可愛いな」


「え?ありがと」



至近距離で見つめながら、髪の毛を撫でられた。



「オレ、めちゃくちゃ幸せ」


「うん。もう今日見過ぎだってー直…」


「愛してるよ…鈴」




私はびっくりして、目を見開いて固まって

しまった。





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