トライアングル
川下りを終えると、すでに3時だった!


「ヤバい、直!遅刻しちゃう〜」


「大丈夫だろ。そんなに焦んなくたって

それより、ちょっと来て」


「ちょっと直!!どこ行くの?」



直は、私の手を引っ張って

細い路地に入って行った。



しばらく行くと、私の腕を引っ張って

自分の方へ引き寄せた。



「わぁ!」



私が、直の胸に倒れ込むと


キツくキツく抱き締められて、


胸がギューッと締め付けられた。



「直?」


「ちょっとだけ…充電させて」



いつもの強気な直は、そこにはいなくて

小さい声でそう言った。



私は、ドキドキが止まらなかった…。





しばらくして、直は私から離れると

髪を撫でながら、やさしい瞳で見つめ

フッと吹き出す。



「固まり過ぎ」


「…だって…直じゃないみたい

あんまりドキドキさせないで…?」


「ドキドキすんの?」


「するよ…こんな直、見たことないし…」


「そんなこと言うと、調子に乗るぞ」


「え??」


「鈴…夜も会って…?」





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