トライアングル
さっきまでは恐怖に震えていて、苦痛だった

のに、キツく抱き締められると

少し落ち着いてきていた…




「直…ごめんなさい…」


「もーいいから。


オレも無理矢理抱いてごめん」





それから、1時間くらい泣き続けた。

涙が、全然止まらなかった…。




直はずっと抱き締めたまま、頭と背中を

撫でてくれていた。







落ち着いてきたら、ゆっくり身体を

離されて、顔を覗き込まれた。



「ひっでー顔。

……オレのせいか」



涙を、直の服で拭いてくれて

触れるだけの、キスをされた。




「オレ、ダメだ…。

鈴のことになると、感情が

止められない。

最低だな。…ごめん」




私は、首を横に振った。



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