トライアングル
私が、立ったまま動けずにいると

部屋に帰ったはずの愛桜が、

近付いてきた。



「鈴…大丈夫?」


「あれ?愛桜…」


「行こう」



部屋に戻ると、直からメールが来ていた。



『出れそう?屋上で待ってる』


『今から行くね』



部屋を出て、屋上へ向かう途中


バッタリ杏に会ってしまった。



「また、直くんと密会ですか?」




私は、何も答えずにすれ違おうとしたら


足を引っ掛けられ、転んでしまった。



「いったーい…」


「ダッサーそんなんでケガですか?

で、また直くんにやさしくしてもらうん

ですか?

いいご身分ですねー」



さすがの私も、イラッとして



「直がスキなら、ハッキリ直に言えば?

陰で私に嫌がらせしたって、仕方ないで

しょ?

直の前であんなにブリッコなくせに…

性格悪すぎ!!」


「待てよ」



私が、立ち去ろうとしたら

杏に、腕を掴まれて頬を殴られた!



ダン!


私は、勢いで後ろの壁にぶつかって


頬からも痛みが走った。



それでも私は、そのまま走り出した!


走って走って…屋上に着いた。





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