トライアングル
感情的な、直のキス…。

今まで、限界まで抑えていたものが

爆発したみたいな…強引なキス。


 
淳のキスとは、全く違った。



私は、淳との違いに気付いた所で

直を強く押していた。



直も、ハッと我に帰って

私から離れた。

  

「ごめん」


「私も…ごめん…。

直が、イヤって訳じゃなくて…

自分の気持ちが、

ちゃんとしてないから…」


「わかってる」



私が、部屋に戻ると

愛桜が待っていた。



「おかえり!って、どーしたの?」



私の目からは、涙が溢れるばかりに

出てきていた。



「愛桜…」



私は、愛桜にギュッと抱き付いた。



「鈴……」



私は、愛桜から顔を離すと

杏とのこと…直とのこと…。



2人の間で、揺れている自分の気持ちを

正直に話した…。



愛桜は、黙って私の話を聞いてくれた。




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