トライアングル
「直…やめて…」


私は、消えそうな声で訴えた…。

その声で、直の動きは止まった。



直は、ハッとして私を見ると

青ざめた表情に変わった。



「オレ…何やってた…?」



直の手が、私の頬に伸びてきたのを見て

私の身体は、ビクッと引きつった。



「ごめん…ごめん…」


直は、私に触ろうとした手を引っ込めて

毛布を身体に掛けた…。



そして、反対方向を向いた。



私は、ゆっくりと起き上がって

制服を治すと、急いで部屋を出て

家までダッシュした。




淳の部屋に、とても戻れなかった…。



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