トライアングル
私は、直の頭に手を回して

とにかく泣いた!


夏休み前から、直に甘えられなくなって

溜まっていたものが、全て出た気がした。





直は、そんな私の背中にゆっくり腕を

回し、背中を優しく撫でてくれた…



そんな手も、すごく懐かしくて

たまらなくなった。






私は、泣き叫び続けて、ゆっくり身体を

直から離した。



直は、私の顔を見ると、涙を指で

拭いてくれた。



「ひっでー顔」


直は、フッと笑った。



「うるさいな!ほっといて…」


「ほっといてって、お前がしがみついて

来たんだろ」


「ふふっ…ごめんね」



直は、突然の私の行動に

かなり驚いていたが、泣き止むまで

やっぱり待っていてくれた。



そんな変わらない直が、嬉しかった。




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