トライアングル
電車に乗って、神社に向かったら

大晦日ということもあって

すごい人だった。



「鈴!こっち」


直に、手をぎゅっと握られて

指を絡められた。


私も、直の手をギュッと握り返した。




「なぁー、そんな態度だと

勘違いすんだけど」


「勘違いすればーー??」



ニコッとして、舌を出した。



「お前…どーなっても知らないからな!」



私は、直を無視して手を引っ張る。



「直、早く~」


「はいはい」



時計を見ると、もうすぐ年明けの時間で

境内も、年明けを心待ちしている人で

盛り上がり始めた。



手を繋いでた直は、私を自分の前に

移動させて、そのまま後ろから

私を抱き締めた。



「直…?」


「この方が、あったかいだろ」


「うん。あったかい…」





「30秒!!………10・9・8・7・6…」


カウントダウンが始まる。



後ろから直に、顎をぐいっと

持ち上げられて年明けと共に

キスが降ってきた…。



「鈴、大好きだよ」


「鈴も、直が大好き」


「え……マジで…?」


「うん、好きっ…」


「え?…ちょっと待って…

マジで言ってんの?」


ちょっと、いや、かなり焦る直…。



「直が、好きだよ」


「マジかよ…やべ~

はぁ…そっか…」


直は、信じられないと言う感じで

いたけど、気持ちを落ち着かせると

じーっと私を見つめて

再び唇を優しく塞いだ…。



何度も何度も、チュッと音をたてて。

たくさんのキスの嵐に、

心もあったまった。




「鈴…付き合ってくれるの?」



私は、背伸びをして直の頬に触れて

小さく頷くと、自分から直に



キスをした…。




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