トライアングル
私と直が、修学旅行の話題で

盛り上がっていると、淳が帰ってきた。


「ただいまー」


「あっ!淳が帰ってきた!!」


私は、直の部屋を飛び出して玄関に走った


そんな私の後ろ姿を、直が悲しそうに

見てたなんて



私は知らなかった…



「淳!おかえりー」


「遅くなってごめんな」


私の頭をやさしく撫でてくれる



「全然大丈夫だよ!直とアイス食べてたから」


「そっか、鈴はアイス好きだよな!」


「えへへっ、おいしいもん!」



2人の声は、直の部屋まで聞こえるだろうけど


直は部屋から出てこなかった




私は、そんなことは全く気にならず

ひさびさの淳との会話を楽しんでいた。




淳の高校の話、部活の話、楽しい話を

いっぱい聞いた!


淳がほんとに楽しそうに話すから

私もその場所にいるみたいだった…



私のあまり聞きたくない、受験の話まで…



「鈴、もうすぐ夏休みになるんだから
そろそろ志望校絞って、本腰入れないと
冬に焦るぞ!」


「淳、お父さんみたい!何かヤダー」


「何だよ、それ…で、どこ行きたいんだ?」


「え?淳と同じ高校!」


「うち?それなら、死ぬ気でやんないと」


「そーだよね…たぶん無理なのは、わかってるけど…って、ひさびさに会ったのに、
説教なのー?」


「ごめんごめん」


淳に、頭を撫でられて淳の顔を見つめた





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