名前を呼ぶまで
「…うん!まかせてよ!」
こういうのが精一杯
今まで曖昧なことしてた自分が悪いんだ
そう言い聞かせてすみれを応援するしかないんだ。
なにもしないでただ好きでいるだけだった私と違って、すみれは積極的だった。
たわいもないメールのやり取りをして、5月の健太の誕生日にはサッカーのスパイクを入れる袋をあげて、試合のレギュラーに選ばれると健太の好きなチーズケーキを作ってあげたり。
すみれは頑張っていた。
わたしなんかよりずっと。
神様がどっちを選ぶかなんて一目瞭然だった。