ラベンダーと星空の約束+α
こう言っちゃ悪いけどさ、弟目線で言うと、姉ちゃんは色気が足りないよ?
胸は小さいし、小言ばっかだし、すぐ叩くし、
どのポイントで欲情できるのか、俺にはさっぱり分からない。
取り合えず、2人の夜の生活が丸聞こえで、困っている事を説明した。
こんな話しは、姉ちゃんよりは義兄さんの方が、まだ言いやすい。
あんなんでも、姉ちゃんはやっぱ女だからさ、
男の俺に言われたら、傷付くかも知れないし。
そういや昔、姉ちゃんの初体験を目撃したんだよな…
相手は大樹。
あれは人生最大の衝撃だった。
あれに比べれば、喘ぎ声くらい、なんでもない事かも知れないが…
やっぱな…姉ちゃんよりは、同性の義兄さんの方が言いやすいよな…
珍しく姉に気を遣ったつもりでいたが、書斎のドアを閉めるのを忘れていた。
開け放しのドアから、真っ赤な顔した姉ちゃんがドスドス入って来て、俺に詰め寄る。
「青空!!あっあんた、毎晩聞き耳立ててたの!?
まさか覗いたりし…」
「覗かねーよっ!!
声は聞こえんだから、しょうがねーだろ?
あ゙〜もう〜こうなりゃ、ハッキリ言わせて貰うけど、
姉ちゃんの声でけーよ。
アンアンうるせー。
そんなん聴こえる中で寝なきゃなんない、弟の気持ちを考えろ!!」
◇
その日の夜、暖炉の炎が赤々と揺れるリビングで、家族会議が開かれた。
俺の要望通り、2階の端と端に、俺と姉ちゃん達の寝室を離す事が決定した。
「それだけじゃ、不十分じゃないの?」
そう言う母さんの意見で、夫婦の寝室の壁には防音シートを張り、ドアも隙間のないタイプに取り替えて…
軽くリフォームする事が決まり、家族会議は終了した。
言いたい事がやっと言えて、スッキリした。
これで俺の安眠が守られると…期待したい。
***
次は義兄さんが、夏の一日を語ります。
よろしく。