しましまパンツマン
「コルキ姐さんには、息抜きに店おいでって伝えてや。ダイアさん。珈琲、今日も美味しかったで。ほな行くわ」


「またのお越しを」


でーんさんは、買い出しの袋をたくさん下げて店を出ると、店に横付けしたＮワゴンに乗り込みました。



「失踪したゆるキャラが泊まっているようですね」


「ご存知でしたか」


「はい、昨日みましたよ」

「もしかしたら、こちらにも来るかもですね」

ダイアさんは、どうしましょうかとも、その時はその時ですともつかない複雑な顔で微笑みました。



時計を見上げて、「キャーっ、大変!!」


イチノちゃんが慌てて席を立ち、カウンターにお代を置き、でーんさんからもらった包みを着物の懐に入れて飛び出していきました。


「旦那、如何ですか？」

カウンターから出て、窓際の席に座った紳士にダイアさんは珈琲のお代わりを勧めます。


「どうも」

紳士はすっと、珈琲カップをダイアさんに向け短く答えました。


< 14 / 107 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop