しましまパンツマン
田舎の香水の臭いより臭いって、どういうこっちゃ!?


口に出しては言えない思いがこみあげて、イチノちゃんはちょぴり運転が荒くなりました。


「あの、ラジオつけてよろしいですか?」

女将コルキさんから、お客様のことを色々お尋ねするのは禁じられています。
様々な事情で旅館に泊まられるお客様。立ち入ったことは聞かない、言わないようにと。

なので「臭いですよ」などとは言えないのです。



洗濯機の中にぶちこんで洗った方がいいくらいの臭さです。

イチノちゃんは運転しながら、ダッシュボードから芳香剤のスプレー缶を取り出し、車内にシューと数回吹き付けました。

バックミラー越しに険しい顔で睨むなっしーの顔が見えました。


「すみません、田舎の香水の臭いがキツイのではと思いましたので」

イチノちゃんは、さらりと言います。


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