しましまパンツマン
乱れた髪を素早く整え、黒いピチピチのライダースーツに身を包み、ズパンの上着から黒手帳を抜き取り、プリンと割れた胸元に挟みこみました。


「またね、ズパン」


高層マンションの窓を勢いよく開け、颯爽と躊躇もなしに身を踊らせて――。



冷たい風が音を鳴らし吹き込んできます。

すっかり明るくなった部屋を見回し、大二郎ことズパンはチッと舌打ちをしました。


――お前は胸子に甘い



ジンゲの言葉が思い出され、痛む頭を押さえ、「クククッ」と自嘲し、はだけたガウンを整え、テーブルの上の新生の箱に手を伸ばしました。


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