しましまパンツマン
兆し
すっかり陽が落ちた頃。

でーんさんの居酒屋は村の人で賑わっていました。


「ゆるキャラなっしーが失踪したらしいやん？」


「何か、少し前から臭いって苦情が出てたらしいからな」


パン屋のゆいむさんが、「あ!!」と声をあげました。


「あれ！ゆいむちゃん、どうしたん？」


ゆいむさんは、でーんさんに新作パンのアイデアをよく相談にくる常連さんです。



「なっしーって？あの、なっしー!?」

ゆいむさんは夕方、お店の前で見たペットボトルをポイッと捨てていった可笑しなキャラを思い出しました。



「なっしー!?たしか夕方、見たのは『なっしー』だったかも」


ゆいむさんが言うと、金物屋の花吉さんが言いました。


「うちの店の前を通ってった子どもが、『なっしーって、半端なく臭かったね』って言いながら走っていったで」



えーーーーー!?
あのなっしーが黒玉村に来たんか？


でーんさんの居酒屋は騒然となりました。


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