しましまパンツマン
旅館の女将コルキさんも仲居のイチノちゃんも、深々とお辞儀をしています。


お客さんの姿が見えなくなるまで頭を下げた後、女将コルキさんは、ふーっと長い溜め息をつきました。


いつも明るい女将コルキさんです。
今まで、こんな困った顔を見たことがありません。


しずっちさんは心配になり声をかけました。


「コルキさん、何かあったの?」


「ええ、まあ……」

コルキさんは会釈して旅館に入っていきます。


「店先で話せる話じゃないから」

仲居のイチノちゃんも、そう言って中に入っていきました。



何があったのかしら?


しずっちさんが首を傾げながら歩いていくと、子どもたちの元気な声が聞こえてきました。



「まし、まし、まし、まし、ましーっ♪」


子どもたちは歌いながら激しく踊っています。


登校時間。
学校が遠いので登校時間は早めです。



あれ?いつもと歌が違う


いつもは、しましまパンツマンの歌を歌っている子どもたちです。

それに、いつもなら1列にならんで右側を歩いていきます。

でも、今日は道幅いっぱいに広がって前もよく見ていません。





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