先輩と友達と愛の薬。
1章 私と彼と甘い薬。
「おはよう、咲優」

「おはよう、綾花」

・・・朝は憂鬱だ。

嫌な気持ちが、私の心を渦巻く。

私は、いつも罪悪感で一杯。

友達に、嫉妬するなんて。

嫌だ、こんな気持ち・・・!


綾花は最近、柚宮先輩と付き合いはじめた。

柚宮先輩は、すごい人気。

私は柚宮先輩が中学からずっと好きで。

柚宮先輩のおっかけでこの高校に入学した。

サッカー部のマネージャーにもなった。

綾花も、マネージャーになって。

私は奥手で先輩と話せないまま時が過ぎ

積極的な綾花はどんどん先輩との距離を

縮めていって・・・

そしたら、綾花と先輩は付き合ってた。

悔しいけど、友達だから、おめでとうっ

て言った。

私は綾花に柚宮先輩が好きだと言えずに

いた。

「咲優、昨日ね、先輩とデートしたんだ

!水族館連れてってくれてね!」

「よかったじゃん!」

もう、やめて。

私に、先輩の話をしないで。

苦しいよ・・・


もう、マネージャーを辞めたい。

けど、先輩との接点が無くなるのは

嫌で。

だから、ずるずるとマネージャーをやっている。

こんな自分に嫌気が差す。

辞めたいなら、辞めればいいのに。

先輩は、私の物じゃない。



「ナイッシュ!柚宮!」

先輩、やっぱりかっこいい・・・

って、ダメじゃん。私・・・

何見てるの。


「先輩、お疲れ様です!これどうぞ!」

「ああ、サンキュ!綾花」

「おいおいイチャつくなよ~!」

「アツいね!二人とも!」

「おいやめろよ!」

「先輩やめて下さいよぉ~!」

二人とも幸せそうだな・・・

ズキン。

あれ、胸が痛い・・・

あはは。おかしいなあ・・・

なんでかな・・・

私はこの胸の痛みが分からなかった。

いや、分かってても、気付きたくなかった。

私は、綾花に嫉妬している。








< 1 / 5 >

この作品をシェア

pagetop