先輩と友達と愛の薬。
「先輩、あの・・・」

「ん?」

ヤバイ、心が壊れそう・・・

手首、握られてて・・・!

「その、綾花とはどうですか?」

な、何聞いてるの!?

一番聞きたくないのに。

聞いたら傷つくだけなのに。

すると、先輩は・・・

「綾花とは、うまくいってる。この前も、デート行ったし」

なぜか寂しそうな顔で言った。

なんで、そんな顔するの?

先輩の行動ひとつに期待する。

やめてよ。先輩・・・

「よかったですね!」

心にも思ってないことを言う私。

先輩を好きになってから私は嘘ばかりの

人間になったんだ。

「・・・お前見てると、安心するよ」

「え!?なんで・・・」

さっきから、何?

先輩、なんでそんなこと言うの?

先輩は綾花のこと好きじゃないの?

「綾花、先輩のこと凄い好きで。

親友としてうらやましいです。

いつも先輩の話をしてて・・・」

「そうか。綾花、俺のこと話してんだ!

よかった!」

いや、気のせいだよね。

今、凄い嬉しそうだったし。

何考えてんだ私。

「あ、じゃあ私家ここなんで!さよなら!」

「気つけてな!」



私はドキドキが止まらないまま、

先輩に触れられた手首を抑え帰った。

まだ、そこは少し熱かった。


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