狛犬に好かれました。
***
ゆっくりと瞼を開けると、そこは天井だった。
布団の中にいることを私は知る。
社に差し込む朝日がやけに眩しい。
あれ……私……帰ってきて……
一個一個、記憶を辿っていく。
そう、チカゲの前で泣いちゃって……
ん?ちょっと、待って!
制服がびしょびしょなはずっ
慌てて確認したけれど、着ているのは寝間着だった。
とりあえず、ほっと一安心する。
布団から身体を起こそうとしたが、拘束されて動かせない。
身体に伝う温かな感触。
隣には私に絡みつくチカゲがすやすやと眠っていた。
全部やってくれたのはコイツか……。