狛犬に好かれました。



もう一度その男の子を視線を落とす。



頭からぴくぴくと動く獣の耳が生えている。
しかもシッポがゆらりゆらりと左右に揺れ動いていた。

 

すると、次に手になにか触れた。



ニコニコとしている男の子が私の手を取ったのだ。



あれ?反対側に同じ男の子がいたはずと思って、振り返ると、やっぱりその男の子がいた。
その子も私の手を取った。

 

増えてるっ!


全く同じ男の子が2人

 

「一緒に住もう」


「寂しいの」

 

そう言って、私を社へと導いていく。

 

やだやだっ
私まだ死にたくない

 

「ほら、ほら、何言っているの?神様にご迷惑でしょ?」

 

とりあえず阻止するべくそう発言すると、2人ともしゅんと肩を落とす。

 

「神様、いないよ」


「3年前に亡くなった」

 

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