狛犬に好かれました。
え……
なにそれ……
「ねぇ、お願い……」
「おねえちゃん、神様の心を持ってるもん」
ぎゅって握る手を強くし、目をうるうるさせ必死に私に頼み込む。
これはやばい。
「私、神様とかよく分かんないよ~?」
「いいの。おねえちゃんの心の中の神様が勝手にやってくれるから」
「おねえちゃんは、ここにいてお願い聞いているだけで大丈夫」
結局、了承してしまった。
こんな可愛い子に頼まれたらもう断れない。
満面の笑みで話す2人と裏腹に私の心情はとっても複雑だ。
とりあえず、社に住むということで一旦家に帰らせてもらった。
確かに、一人暮らしだから、家賃とか浮いて経済的にはありがたいんだけど、
神社に滞在とかもう不安の要素でしかない。
いったい、どうなることやら……