狛犬に好かれました。



「肩、揉んでよ」


「やだよ。なんで私が!」



また、ヤツが私の元へとやってくる。


すると次の瞬間、片手で私の首を掴み上げた。



「……っぁ……」


「住まわしてもらってること忘れんなよ。俺はお前の中の神様さえ居ればいんだから。言っとくけど、逃げたら承知しないから。死後の世界まで呪ってやる」


ぱっと手が離されて、解放される。


ヤツはそれだけ言うとどこかへ消えて行ってしまった。



私は胸を撫で下ろし、空気を肺に送り込む。


今まで、空気が吸えることがこんなに嬉しいと思ったことはない。



ねぇ……

本気で私を殺そうとしたアイツと住めって言うの



危険すぎるでしょ……



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