続・雨の日は、先生と
ネコ用の出入り口を塞いでいたガムテープを外すと、待ってましたとばかりに外に飛び出していくたま。

ごめんね、私のせいで。

元々ノラのたまには、この家は窮屈だったね。


あの手紙は、先生が処分してくれた。

もう、電話が掛かってくることも、インターフォンが連打されることもない。

安心して買い物にも行ける。


明日から新学期。

先生は、今年は担任を持つみたいだ。

いいな、先生が担任だなんて。


私は、担任との間に大きな溝を抱えながら、高校時代を過ごした。

それは、母から受けた虐待の痕を、見られてしまったことから始まった。

そこから、私は教室に行けなくなって。

毎日を図書室で過ごすことになった。


そこで出会ったんだ。

どしゃ降りの雨の日に、先生と。


運命、なんていう言葉では片付けられないけれど。

先生と私は、きっとあの雨の日がなくても、どこかで出会っていたんだと思う。

そして私は、先生のことを好きになったと思う。

例え生まれ変わっても、私は、先生のことを好きになる。

何度でも、あなたを好きになるよ―――



こうして私は今日も、先生に恋しています。
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