続・雨の日は、先生と
お出かけ
結局、お昼ごろになってのそりと起きた先生と私。
なんだかもう、先生の顔が見られない……。
「唯、今日は出掛けようか!」
「え、陽さん。もうお昼ですよー。」
「いいじゃないですか。お昼だって。」
「どこに行くんですか?」
「どこに行きたい?」
「んー、」
色々考える。
確かに私は先生と、ずっと一緒にいるのに、あんまりデートしたことがない。
プラネタリウムを観に行った、あの日くらいだ。
そして結局いつも、朔太郎さんのお店に行くし。
「んー、」
「そんなに悩むの?そしたら勝手に決めますよ。」
「待って、待って陽さん。」
先生と行きたいところなんて、簡単には思いつかない。
だって、私は先生がいれば、本当にそれでいいんだもん。
どこにもいかなくても、満足してしまうから。
だけど、それはまあ、好きな人と行くなら。
水族館とか、遊園地とか。
いろいろあるわけだけど……。
「タイムオーバー。じゃあ買い物に行きましょう。」
「え、買い物、ですか?」
「なぜ残念そうな顔をする?」
「だって、買い物……。いつもしてるもん。」
拗ねたように言うと、先生は笑った。
「何も、スーパーに行くなんて言ってないよ?ちょっと遠いけど、大きなショッピングモールで買い物しよう。」
「え!ショッピングモール?」
「唯に似合う服を、私が見つけてあげよう。」
「陽さんっ!」
嬉しくて、思わず抱き着いた。
だって、だって。
高校時代は、可愛い服を買っている余裕なんてなくて。
この家に持ってきた服も、少ししかない。
すぐに一周してしまって、ちょっと恥ずかしかったんだ。
いつも、エプロンで隠してたのに、先生、気付いてたんだね。
「私もスーツを新調したいんだ。これを機にね。」
どんな機なのか分からないけど。
確かにちょっとだけくたびれてきた先生のスーツ。
きっと先生は、長年着てきたスーツとともに、思いを改めるつもりなんだろう。
そんな健気な先生が、愛おしい。
「支度して!」
「うん!」
最近、ちょっとだけ崩せるようになった敬語。
一歩一歩だけど、お互いに歩み寄っていく日々。
それが、嬉しかった―――
なんだかもう、先生の顔が見られない……。
「唯、今日は出掛けようか!」
「え、陽さん。もうお昼ですよー。」
「いいじゃないですか。お昼だって。」
「どこに行くんですか?」
「どこに行きたい?」
「んー、」
色々考える。
確かに私は先生と、ずっと一緒にいるのに、あんまりデートしたことがない。
プラネタリウムを観に行った、あの日くらいだ。
そして結局いつも、朔太郎さんのお店に行くし。
「んー、」
「そんなに悩むの?そしたら勝手に決めますよ。」
「待って、待って陽さん。」
先生と行きたいところなんて、簡単には思いつかない。
だって、私は先生がいれば、本当にそれでいいんだもん。
どこにもいかなくても、満足してしまうから。
だけど、それはまあ、好きな人と行くなら。
水族館とか、遊園地とか。
いろいろあるわけだけど……。
「タイムオーバー。じゃあ買い物に行きましょう。」
「え、買い物、ですか?」
「なぜ残念そうな顔をする?」
「だって、買い物……。いつもしてるもん。」
拗ねたように言うと、先生は笑った。
「何も、スーパーに行くなんて言ってないよ?ちょっと遠いけど、大きなショッピングモールで買い物しよう。」
「え!ショッピングモール?」
「唯に似合う服を、私が見つけてあげよう。」
「陽さんっ!」
嬉しくて、思わず抱き着いた。
だって、だって。
高校時代は、可愛い服を買っている余裕なんてなくて。
この家に持ってきた服も、少ししかない。
すぐに一周してしまって、ちょっと恥ずかしかったんだ。
いつも、エプロンで隠してたのに、先生、気付いてたんだね。
「私もスーツを新調したいんだ。これを機にね。」
どんな機なのか分からないけど。
確かにちょっとだけくたびれてきた先生のスーツ。
きっと先生は、長年着てきたスーツとともに、思いを改めるつもりなんだろう。
そんな健気な先生が、愛おしい。
「支度して!」
「うん!」
最近、ちょっとだけ崩せるようになった敬語。
一歩一歩だけど、お互いに歩み寄っていく日々。
それが、嬉しかった―――