続・雨の日は、先生と
さっきの母の言葉が、ぐるぐると頭の中を巡っている。

何だっけ、母はなんて言ったんだっけ。

あ、そうだ。



―――「唯、もしかして、妊娠してる?」



そんなわけない、って。

必死に否定しようとしたけど。

だけど、思い当たることはたくさんあって。


そう言えば、もう一か月以上……。



「そんな、」



よりにもよって、先生がいなくなってしまった今。

こんなことになるなんて―――


だけど、


もしも、本当に私が妊娠していたとして。

それが先生の子なのは確かで。

そしたら、私。


もしも、一人で育てていくことになったとしても。

絶対に産みたい。

先生の血を引いている子を、育てたい。

守ってあげたい。



そんな覚悟を決めた後。

妊娠検査薬で調べると、やっぱり陽性だった。



私は、思いがけず陽さんの子を、身籠ってしまったんだ―――
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