6年目の春~君と僕のさよなら~
彼の名前は
倉科優紀。(くらしなゆうき)
彼とこの一年で話したのはほんの数回。
席が近くになって
班で話し合いをするとき。
ぶつかって
「ごめん」って言われたとき。
シャーペンを落として
それを彼が拾ってくれて
「ありがとう」って言ったとき。
だいたいその繰り返しだった。
でも、たったその一言程度が私には嬉しくて仕方なかった。
なんていうか、
胸が高鳴るっていうか
他の人に心臓のドキドキ聞こえちゃうんじゃないかってくらい。
所詮、私の片思いなんだって
そう想うことはたくさんあった。
その分、苦しいこともあったけど
忘れられない想いでも増えていったんだ。