短編集
少し経って前に大きな栗の木が見えてきた。
どっしりしてて……力強い。

下にいっぱい栗が落ちてるけど……ほとんどがハリネズミみたいなイガに包まれてる。
素手でとったら……痛いよね。

すると、秋斗君が足でイガを踏んで、器用に栗を取り出した。

「すごーい!私もやりたい!」

秋斗君は照れたようにはにかんで笑うと、私に見本を見せてくれた。


楽しかった。

今までの人生で一番楽しい一時だったかもしれない。
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