短編集
やっぱサボリと言えば屋上だよね♪
フェンス越しに見る学校の周りの風景は窓から見るのとちょっと違う。
高さの関係もあるけど。

「菜代」
「那雄、やほっ」

ちょっと息切れ中の那雄が私のトコまで来て、やほじゃねぇよ。と私の頭を小突いて私と並ぶ。

「卒業できんの?」
「大丈夫っしょ。那雄こそ」
「俺は頭いいから。」

いつから俺って言うようになったかなぁ。背も私より高いし……高校入ってから女子にモテるようになったし。

「ナルスィー」
「事実だし」
「自画自賛」

私がそっけなく言うと、後ろから羽交い締めにされた。
「今なんて言った?」
「ナルスィー+じがじさっ、苦しっ!ギブ!ギブー!」

私と那雄はキョウダイみたいな感じだよね。もちろん私がお姉ちゃん。
時々付き合ってるのかとか言われるけど…節穴?あなたの目は節穴デスカ?

ありえないっしょ。
私の方が絶対強いって私は思ってるし。

「那雄、彼女つくらないわけ?」
「菜代こそ」
「めんどい事は嫌いだし」
「付き合ってくれる人がいないの間違いじゃ……」

……コイツ……自分がモテるからって……。

「秘技!菜代ちゃんタックル!」

今の関係、壊したくないのはお互い様。
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