ダンナ様はコーコーセー。
あたしの名前は柚木マリ。高校で数学を教えて4年目になる。
学生のときに付き合っていた恋人とは、就職して半年で別れた。

原因は、あたしの仕事。

教育実習で先生たちの忙しさはちょっと知っていて覚悟はしていたけど、実際に教師になってみたらそんなちっぽけな覚悟では切り抜けられない忙しくて大変だった。いわゆる九時五時の仕事じゃないし、職員室にいてもお昼休みは生徒がひっきりなしに来るからご飯はゆっくり食べられないし、授業の準備やら生徒の保護者への連絡やらいろんな学校行事のための会議やらやることは山の用にある。しかも担任しているクラスの生徒に何かあったら休みの日でも関係なくなにかしなくちゃいけないときもある。

そんなわけで、デートの最中に生徒からちょっとしたトラブルで電話があったときに
「俺と生徒とどっちが大事なの?」
と言われてしまい、かっとなったあたしは彼にさよならを告げて家に帰ってデートのために削った睡眠時間を取り戻すかのように昼寝をしたのだった。
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