君のことが大好きで。
私は重い水が入ったバケツを片手に持つ。




一瞬体がぐらりと傾いたが、なんとか体制を整えた。




しかし、結構重いな…




すると、横に人影が現れた。




「持つよ。重いでしょ?上原はそっち持って。」




「あ、ごめん。ありがとう…」




いきなりのことで思考が追い付かなかった。




きっと私は今、顔が真っ赤になっていると思う。




「お、優樹かっこいいじゃん!」




私のクラスの廊下を通るときに一部が見えたらしく、率が大声で叫んでいる。




その瞬間、クラスの人がほぼ全員優樹の方を向いた。




うう、なんか私まで恥ずかしくなってきた…




「別に何もしてねーよ。俺、日直の仕事してるだけだし。それより、お前はちゃんと給食運べよ。」




「そうだった!じゃーな、優樹!」




率は何かを考えるように去っていく。




率とはメールでは何回か話してるけど会うのは久しぶりだな…




すると、優樹はいつの間にかベランダで水を捨て終わっていた。




「下にこぼれてる牛乳は俺が拭いとくから。」




「え、いいよ。私がやるよ。」




「いいよ。お前がやるとスカート汚れるだろ?」




「ゆ、優樹だって汚れるよ?」




「もういいって。ここは俺に任せて、号令よろしく。」




私は仕方なく前に出て号令をした。




拭いている優樹に視線を送るが、気付く気配がない。




私は仕方なく席に着いた。




「ひ.か.りちゃん?もう冬休みだねー。」




「玲は気が早いね。冬休みはまだまだだよ。」




「まだまだって…明後日だよ?もう少しじゃん。ちゃんと優樹に手紙も渡そーね。」




「そんなニヤニヤしながら言わないで…」




「え、なに?もっと言ってほしいって?仕方ないなぁ。」




「違うってばー!!!」




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