君のことが大好きで。
帰りの会が終わって私は授業中にこっそり書いた手紙を率の靴箱に入れようと思っていた。




ああー、率が私のこと好きなんてまだ信じられないよ。




教室を出て歩きだすと後ろから急に手を引かれた。




「え?」




驚いて後ろを見ると率が息を切らして立っていた。




待って待って待って。




なんで率が現れちゃうの!?




「…お前さぁ、まさか手紙で返事しようとか思ってないだろうな」




「え!」




気づかれてた!?




もしかして手紙じゃダメな理由とかあった!?




「俺、直接じゃないと返事は認めないから」




真顔でそう言った率はすごくかっこよく見えて、ドキドキしてしまう。




「じゃあ、またな」




私、今すごいドキドキしてる。




普段全然見せない率の表情。




私は率への手紙をポケットにしまい、美雨ちゃんたちのところへ向かった。




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