君のことが大好きで。
教室に戻ると夏休みの宿題でやった理科の自由研究が返された。




私は美亜と組んでやったんだけど…美亜は小さいものを持ち帰って大きいものは私に任せた…




なんとも卑怯なやつめ!




私は大きい紙をぐるぐる巻いた。




けれど、輪ゴムとかがない。




「輪ゴムってないのかなー」




「だよねー、どうしろっていうんだよー」




隣の友達と話していると先生がセロハンテープを持ってきた。




「ひかりの分も持ってくるね 」




「ありがとう」




友達がセロハンテープを取りに行った後、私の視界に手が入ってきた。




横を向くと優樹が手を私に向けて出している。




その手には一つの輪ゴムがあった。




え、これ私にくれるの?




もしかして私の後ろの人にあげてるとか?




後ろを確認したいけど優樹とバッチリ目があったのでそらせなかった。




「ありがと」




輪ゴムをもらうけど優樹は一言も喋らなかった。




最後に少し笑っただけだった。




「あれ、ひかり輪ゴム持ってるじゃん。せっかく持ってきたのにー」




「あ、ごめん」




よく考えてみれば優樹は一つしか輪ゴムをくれなかった。




友達の分もくれてもいいよね。




輪ゴムが一つしかなかったからとか?




でも一つしかないのなら最初から渡さないよね?




ヤバイ、私ってば自分に有利な考えに持っていってしまった。




一つしかないから私に渡したって…




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