君のことが大好きで。
だから私は瀬戸口祐介はクールで近寄りがたい存在というイメージでしかなかった。




なんで美雨ちゃんは瀬戸口祐介を好きになったんだろう。






「なんで美雨ちゃんは好きになったの?」





私は思ったことをそのまま口にした。




「あのねー、ひかりちゃん。」




美雨ちゃんにはため息をつかれた。




何かおかしなことを言っただろうか。





「好きに理由なんてないんだよ。」




美雨ちゃんは少し間をおいて続けた。





「恋ってさ、不思議だよね。なんか自然に、自分が気付かないうちに好きになってるんだもん。」





笑顔で話す美雨ちゃんはすごく大人っぽかった。




年は同じなのに、先越されたような…そんな気分だった。





早く美羽ちゃんに追い付かなきゃ。




なぜか強くそう思った。
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