君がのこしたもの
「私なんかが想っちゃいけない相手だって分かったから…」
「そんな…由里あんなに頑張ってたじゃん!!」
階段の踊場に、友梨の声が響く。
雨の音も打ち消せるくらいに。
「とにかく、今は伝えたい!!だけどあたしには無理っ…だから友梨…お願い。」
「…分かったよ…。」
由里の震えている手から少しばかり乱暴に手紙を受け取り、雅史の姿を探す。
他の男子に比べ、少し背が低い雅史を見つける。
「雅史君っ!!」
「…中嶋?どうした?」