君がのこしたもの

しばらく沈黙が続いた。

どんな内容であったとしても言わないで欲しい。
目の前にある階段の上に、由里がいるから。






由里はいい子だ。
心は広いし誰にでも優しいし、部活のテニスだってすごく頑張ってるし。
由里が好きだという男子は結構いる。

そう、好かれて当たり前なくらいだった


私と言えば由里とは真逆で、そんなに人気がある訳でもない。




だから、由里がうらやましくなったんだ
由里が告白すれば雅史と付き合うんだろうな、って半分以上思ってたから。
由里に頼まれて雅史の好きなタイプだとか、趣味だとか色々聞く為に話し掛けているうちに、いいなぁって思ってしまっていたんだ


友梨はいつの間にか自分が、雅史を好きになっていた事に気付いた。



「俺、桜木じゃなくて中嶋が好きなんだ。」

「……は?」



全く予想もしなかった言葉。
ありえないと何度も自分に言い聞かせた。


「じょ、冗談でしょ?からかっておもしろがってるんでしょ?」


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