君がのこしたもの
第一章 ぬくもり
朝の日差しが弱い、曇りの日の朝。

少し肌寒かったが、暖かさが残った布団から出て学校へ行く準備をする。


「友梨!朝ご飯食べなさい!」

「いらない!いってきます!」


寒いからとついうっかりしていた。
少しばかり寝過ごしてしまって、友梨は大急ぎで家を出た。



家からしばらく行った所に、大きな桜の木がある。

その木の下で待っているのは、桜木由里。

「もう!遅いよ~」


「ごめんごめん!!寒いからつい…」


「ウソウソ!私も今来たところだよ♪行こ!」



そう、二人のユリは幼なじみ。


「私が遅い時は一人で先に行ってていいんだよ?」

「ううん、例えどんなに遅くても待ってる!私は友梨がいないと“あの階段”が登れないんだから…」


「あ…そっか、ごめん…」



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