君がのこしたもの
時々由里はこうやって自虐的な言い方をする。

何があったかとか詳しい事は友梨もよく知らないのだが、きっとすごくつらい思いをしたのだろうと考えている。


だけど、それを言ったら由里が傷付いてしまうから、あえて言わない。




「私も今年は受験かぁ…ヤバいかも~」

「友梨は勉強出来る方じゃん!だから絶対大丈夫だよ!!」

「でも倍率すっごい高いし…」

「大丈夫だって!今からならまだ巻き返せるよ♪…あたしはもう間に合わなそうだけど…」

「またそうやって!自信だけでも持っとかなきゃどうにもならないよ?私はー…ダメだけど」


「結局あたし達っておんなじ?」


「……確かに…あはははっ!!」


「あはははっ!!もう、お腹痛いよぉ~」



いつもいつも、こんな他愛のない会話をしては二人仲良くニコニコ笑っていた。




あんな事が起きるとも知らずに。

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