君と私の40日 【執筆中】
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今は、向かいの家はもう別の人が住んでいて。
庭にあった桜の木は切っちゃったし、表札も洒落たプレートに変わっていた。
麦くん一家が住んでいた面影はほとんどない。
あれがきっかけで、うちの両親と麦くんの両親は連絡を取らなくなった。
無言の別れ、といった感じ。
子供ながらにそこにはあまり首を突っ込まないようにした。
「もう麦くんの話はしちゃだめよ」
ママが静かな声でそう言ったから、私はなんだか怖くて
「はい」としか言えなかった。