月城学園の番外編

ー廊下ー

大股ですたすた歩く颯斗先輩に小走りで付いていく私。

何も話が無いから気まずい…

すっと、颯斗先輩が止まりぶつかりそうになるのを回避すると、いきなり手首を捕まれた。

…痛い。さっきのが効いてきているみたい。痛みで眉毛をしかめているのを見た颯斗先輩が

「ほら!まだ痛いんじゃないか!保健室行くぞ!」と無理矢理保健室の方に向かって言った。…

ー保健室ー

「(失礼します。)」あっ!?ハモった。養護教諭は外出中で椅子に座らせられて、手当てをし出そうとする颯斗先輩に私は

「あの…」と言ってから

「なんだ。」!!こ、恐い…

「私に手当ては申し訳ありませんが必要ありませんよ?…回復能力も使えるので。」と言うと、

「は?マジかよ…なんで言わなかった?」

「先輩、すたすた歩くし、回りの声を気にして言えなかったので…」と言った。…力を隠す事は事態が変わらない限り続くから。

< 85 / 154 >

この作品をシェア

pagetop